スチプリ感想

swicth移植を機にスチプリデビューしました！

どん底の果てにわずかな希望の光を掴みとるような感覚にさせてくれるゲームだった。
数えきれないくらいの絶望の中で、なんとか生きていこ！精神でやり切ったので萌えよりも達成感のほうが強い。特にグランドエンドを迎えた時には感無量でしばらく呆然としてしまった。
共通から疲弊すると既プレイ民が話していたんだけど、確かにしんどいというより心が疲れる。もれなく全キャラルートにクズモブいると断言できるくらいクズパレードなので・・・・いちいち嘆いていたらキリがないくらい。
まぁ、不条理な展開でも「なんで私が…」と落ち込み続けるヒロインではないのでそこは助かる。口調からもわかるように男勝りなヒロインで個性強めなので自己投影はできないです。

そんなヒロインであるキルスが、ある日突然両親殺しの罪を着せられる。
警察官同士のパートナーであるフィンと引き離されて一人下界に落ちるキルスが、そこから不条理な目に遭っていく流れで真相が徐々にわかっていきます。

個人的な話をすると、わたし自身フィンに落ちるとはおもってなかったんですよ。顔は良いけど好みかと言われれば違うし、ユネたまやるまではたぶんフィンをラストやってもきっと落ちることはないだろうとたかをくくっていた。見事に予想は打ち砕かれた。
フィンという男はそれくらいのパワーを秘めていた。フィンに対してすき♡という気持ちではなく、フィンのキルスを想う気持ちに落とされたというか、フィンが優しい顔で笑うだけで体中に電気が走ったように抗えなくなってしまったのだ。

続きから個別感想です！ねたばれしてます！

主にハピエンの話しかしてません

エルト

変態紳士だー！てなった第一印象。
女慣れしているし、彼に群がる女とただれた関係さえもつどうしようない男なんだけど、キルスのことを心の中で「キルスさん」と呼んで神聖化していて彼女に対しては一切手を出さない、他の女と同列に扱いたくないとおもってるところが良。
あ、キスはめっちゃしてきますね。キスの特別レッスンわろた。だけど、恋愛に疎いキルスからの頬キスされたときのエルトの動揺っぷりがいちばん笑った。ウルリクも巻き込まれててこのふたり本当仲いいよね～！
今まで本気で恋愛してこなかったエルトが、一人の女の子にろくに手も出せずに恋愛初心者みたいなことして動揺しまくってる姿がかわいかった。
フィンに妬いたり、好きって気持ちがとてもわかりやすかった。

ウルリク

キルスと同い年だけど、上界出身の人間が嫌いなので最初は露骨に嫌ってくる。
キルスのこと受け入れてくれないのも自分が大切な存在を増やしたくないからで、なんとも思ってない！を貫いてるけど、辛辣な態度とった後で一人でモヤモヤしててかわいかった。

テンプレのツンデレというよりケンカップルなウルキルかわよでした。
なかなか好意は見せてくれませんが。
自分の失言のせいでキルスが危険な目に遭った時も真っ先に駆け付けてくれたけど、その段階でもまだウルリクはキルスのこと好きって感じじゃなくて、どっちかって言うとエルトが危険な目に遭うことの方を危惧してるような、、、
自分のせいでこうなったってわかってるけど、騎士であるキルスならなんとかなるだろ～って放っておかれたのはエ～～～ッ？！？！てなったけど彼はきっと裏切り裏切られる世界で生き続けてきたからそういう感覚なんだろうなっておもった。
エルトにからかわれても「僕はキルスのことなんて好きじゃない！」の一点張りでまぁ、ムキになってるのがお察しなんだけど自分の感情自覚してないウルリクちゃんもかわいかった。

誰も信じることをせずに生きてきたウルリクが、初めて信じたい、好きになりたいって気持ちを抱いたのがキルスで。やっと心を開いてウルリクが告白してきたときは感極まって泣いてしまった。
ウルリクが適当につるんできたモブですら平気で裏切ってくる容赦ない展開だけど、真打登場よろしくエルト現れた時は”他ルートで輝く男の法則”発動しちゃったよね～～～👏いや他のルートでときめかせるのやめろｗｗｗｗ
モブに撃たれて３日間眠り続けたキルスの傍でりんごの皮剥きしてるウルリクが、彼女が目を覚ますことをちゃんと”信じて”いたところがよかったです。

「馴れ合いが好きじゃない僕に好かれるんだ、光栄に思いなよ！」

ウルキルのかわいいキスが画面いっぱいに映し出されて幸せな気持ちになった。

アダージュ

見た目クーデレ系な感じかと思いきや、無表情で感情がわかりにくいけど医者として人を救いたいって気持ちをちゃんと持っている男です。
もう受刑ルートからそもそも心折れそうだったからね。フィンがザクセンに拷問されたり、お世話になった家族殺されたりでゴリゴリにメンタル削られた。
アダージュはそんな中での癒し枠に匹敵するのでは？と勝手におもっていた。
一緒に住むことになった家の寝室は一緒なのに、一つだけしかないベッドじゃなくてソファーで寝てって言うアダージュすき。
アダージュ自身がつくるご飯をまずいと自覚しているところも、朝からフライパンとフライ返しでカンカンカンッって起こしてくるとこもかわいい。
偽装夫婦として過ごすことになって、キルスが「夫婦とは何をすればいいんですか？」という質問に「とんでもなく、エロいことだ」と馬鹿正直に答えるアダージュちゃん笑った。

そんなアダージュちゃん、小さい頃から父親の背中だけを追い続けて医者という同じ道を進んで、罪人になってまで父親探しに下界に来たのに、その父親にまっっったく１ミリも興味持たれてないの可哀想すぎて同情しかない。
アダージュは父親が愛してない人との間に生まれた子なので。でもそんなの子どもには関係ないよな。子どもにとっては父親はひとりなのに。

父親が下界の女殺してパーツ集めて理想の娘つくってんのにはヤバ通り越して反吐が出るしひとつも理解できんけど、キルスの両親殺すきっかけつくったのもお前かよ・・・・ってなった。キルスも危うく血液をその一部にされそうになって、アダージュは大切なキルス救うために父の言う通りにするフリをして騙して、最後に父の最高傑作を燃やしたと同時に父もその火に飛び込み死にます。
ふせったーにも書いたけどこの辺のくだりがモヤモヤした。たぶん一番可哀想なのはアダージュ本人だから。キルスも辛いのわかるけど、父親の責任アダージュにはないからな✋
マジで救いがない。父親実は・・・みたいなそんな好感度上がるようなシナリオではない。クズはどこまでいってもクズ。救いようがないクズ。ただそれだけだった。

イネス

正直いちばん興味なかったけど（ド失礼）ルートはおもしろかった。運命枠はこの男でした！ペンダント！途中まで過去の女匂わせてきて嫌な予感したけど、たぶんスィアのこと好きだったのはザクセンだったんだよね。恋愛感情かどうかは置いておいて、、、彼の過去も憐れだけどだからといってフィンを拷問していい理由にはならない！と心を鬼にした。

上界に戻れることになったイネス、絶対キルス邪魔になるから置いて行けばいいと思うんだけど、それだと話が終わるのでちゃんと一緒に連れて行ってくれます。イネスは優しい。余裕のある大人って感じ。
フォロワーさんも言ってたけど「正義とは？」だった。
馬鹿正直に生きてきたってこの世界では無意味。不条理な罪を着せられ、親を殺され、悪人が隠れてのうのうと生きている。それが許されている世界なのが胸糞だった。
ユネたまがバシッと言ってくれた時は良かったけど、フィッツジェラルドとか言うクズ男なんで処刑せんのや！！！とひとりで喚き散らかした。
お互い背中を預けるスチルのシーンすき。かっこよ。結局クズモブばかりな上界おさらばして下界に降りてＨＯＵＮＤＳのリーダーに就任したのも納得した。フィンも生きているし（わりとここ重要）、なんだかんだ丸くおさまったＥＤだったんではないでしょうか！

ユネ

他ルートと違って下界に落とされずにユネたまのお付きとして傍に居させてもらえることを許可される。理不尽な思いしなくていいじゃんめっちゃ楽～とか思ってたらユネたまは１ヶ月以内に自分を殺せと依頼し、失敗すれば逆に殺されるという新しい不条理にぶち当たる。
イネスルートで輝いていたユネたまだけど、自ルートのキルス罪人扱いしまくってて胸が痛かった。冤罪に気づいてるもんだとおもってたので・・・そんな儚い希望も打ち砕かれるADVだったよなそうだよな。

ユネたまは所謂不老不死で、自分を殺そうとする相手を逆にガラスがグサグサに刺して返り討ちにするという不思議な能力がある。
ユネたま案外簡単にキルス切り捨てそうになってて笑う。寸前でエルトが助けてくれなかったら確実に死んでた。ユネたまにとって駒みたいな存在なんだろうな。罪悪感もなしに自分のために死ねと言われてるようで震えた。

時に冷酷な顔を見せるユネたまだけど、自分を殺す方法を最終的に恋愛とするのがぶっ飛んでたｗｗｗｗｗいや何故そうなる？！ついさっきまで期日までに殺せなかったら殺すとか脅しておいて、突然キルスに恋しよう！恋したら死ねる！みたいな思考になっててちょっとよくわからんかったのですが。
まだ罪人だと疑ってるキルスをよく愛そうと心変わりしたよ、、、マジでいつから好きになった？

好きになったタイミングがよくわからないまま話は進むんだけど、キルスが笑顔を見せるたびにユネたまは胸が痛くなって苦しむようになる。ユネたまが恋愛をこじらせて死ぬのは想像したくないが、まぁ当然だが恋しただけで人は死なない。好きすぎて死ぬ♡みたいな感覚はあるだろうけど実際に死ぬことはもちろん、ない（当たり前体操）

ルート後半突然、フィッツジェラルド（もうお前の顔は見たくない）が知ってたけど両親殺したことを暴露してきてキルスを刺し、ユネスは別の場でウォーナーに裏切られ、下界に追放されてそのままグリッサードに人体実験させられるという胸糞BADに辿り着いたかとおもったらベストEDのエンドロール流れて「ハアアアアア？！」と不条理に力いっぱい叫んだが、エンドロール後が本番なのでどうか安心してください、と言わんばかりの良エンドでした。ちゃんとキルスとウルリクが機会を伺ってユネたま救い出しにきます。

フィンも活躍するよ！でもフィンはさ、やることがまだあるからってその場に残るの。すぐ追い付くから、って優しい嘘を吐いて。憎きザクセンを自分ごと火の海に沈めるんだよ～～～～～～ここのフィンカッコ良すぎてアアアアア！！！！！とにかく発狂。スチプリやり始めてから「フィン愛せる自信ない」とか言ってたクソ女（わたしです）ボコボコにしました。
はぁ～～～～これはフィンに落ちる女多発するワケだわ。
フィンに興奮しつつユネたまがいつ好きになったとかどうでもよくなったご都合頭で迎えたEDは最高だった。
死ぬことばかりに執着していたユネたまが、自分の時間を動かして、生きることを選んだ。

「人として、生を全うしたくなった」

ユネたまは決して長く生きられる身体ではない。でもキルスは、時間の長さだけで幸せは決まらないって愛を説くのサイコーなんだよな。セキエイ（石）の愛を拒み、人として短い時間精一杯キルスを愛していくと決めたユネたまとても良かったです。ハピエン厨なので終わりが良ければすべてヨシ👏

フィン

他攻略キャラＢＡＤありとあらゆる死に方をするフィンがいちばん、不条理の代名詞にふさわしい。ユネＢＡＤでどこまでも一緒だと死すらふたりを別てないＥＤも鳥肌もんでした。

彼のルートが解放されると、両親が殺された後の第二発見者であるフィンが「遺体を隠しましょう」と提案してくる。キルスはすべてを打ち明けるつもりでそれを拒むけど、連行されそうになったとき「殺したのは俺です」とさらに話をややこしくするフィンｗｗｗｗ
それから立場が一転してフィンが罪人として下界に落とされ、キルスはＨＯＵＮＤＳに転職となった。でもきっとこっちのほうがフィンはザクセンにズタボロ拷問されずに済むからまだ救いがあるのかも～とか思ったわたしは不条理に慣れ過ぎて脳死していたかもしれない。

下界で再会したフィンは素っ気なくて萌えた。惨めな自分を見られるのが嫌とかかわよじゃん！
フィンもキルスもパートナーが失職してＨＯＵＮＤＳに所属されることを「自分のせいで」って後悔しているところが一緒なんだよな。
キルスと一緒に食べたくてハンバーグつくってるフィンもLOVEだったし、なんかもうこのままその日暮らしで質素で慎ましやかにフィンと寄り添いながら生きていきたかった。

キルスを庇って罪を被って下界に落ち、そんな中で自分はキルスと並んでかっこ悪くないように手に職つけて頑張ってる姿見てると愛しさで泣いた。この笑顔を一生守りたいとおもった。
自分から抱き着いておきながらドキドキしてるフィンかわいすぎか？？
もう今までのルートのフィンなんだったんだ～～～ってくらいほのぼの幸せハピエンでしたね！不条理乗り越えた先の幸せ。上界でふたりが自由恋愛することは絶対できないからこそ染み渡るハピエン。

結婚１周年記念にハンバーグつくるフィンもかわいかったし、キルスは逐一覚えてないのに１ヶ月、半年記念もきっちり覚えてるフィンもキルスのこと本当に好きなんだな～～～って微笑ましくなっちゃった。
あとさ、BADでフィンがキルスを好きになった過程見せるのは反則だわ（泣）（泣）いやもうフィンキルのことしか考えられなくなった。フィンがちゃんと過去にキルスに救われていて、それからフィンはキルスを同僚の意味合いのパートナーから、自己犠牲してまで愛を捧げる人になったんだとおもうとエモさで頭どうにかなりそうだった。

グランドエンドは今までの不条理を覆すハッピーエンド以外ありえない！って感じの終わり方で最高だったな・・・・・最後に救いはあったんだ。なんだかんだ報われずにフィンには一途にキルスのこと想ってほしいきもちもあるのでフィン→キルスの関係もすきですね。

スチプリは最萌えというより、ウリルクが好きそうなわたしがフィンに落ちるべくして落ちたことがわりと衝撃だったので、最終的にどんな作品だった？って訊かれたら「フィン」の一言で済ませられるんじゃないかなとすら思えてきちゃいますね。

おわり